みなさんはイソップ寓話に、どんなイメージや思い出がありますか?
🐭動物がいっぱいでてくるよなぁ
🦁どれも短めのお話で、最後にいつもなんか教えがあるよなぁ
私は小さい頃、「イソップ」っていうのがなんの名前なのか、気になって気になってしかたありませんでした。
そこ!?
だって、「グリム」や「アンデルセン」は人名だと知っていましたが、それと同じようにイソップ童話の「イソップ」も人名なのか!? はたまた日本昔話、みたいにどこかの地方の名前なのか!? だとしたらどこの国なのか?? この得体の知れない響きの「イソップ」とは何語なのか……と(笑)
間違いなく、人の名前だったんですよね。しかも、古代ギリシアの奴隷だったと知ったのは、ずいぶん後になってからのことです。
前置きが長くなりましたが、そんな、”昔の私に読ませてあげたい!” とても面白い伝記絵本が、このたび拙訳で出ました。
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『寓話に生きた人イソップ ーその人生と13の物語』
イアン・レンドラー作 パメラ・ザガレンスキー絵
化学同人 (64頁・総ルビ)
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〜訳者目線のおすすめポイント〜
🐭イソップの人生と寓話についての「知らなかった!」がいっぱい。
ペンは剣よりも強しと言いますが、語ることによって不平等を乗り越え自由を得たイソップの人生からは、言葉の力、物語の力の偉大さというものを感じることができます。
子どもたちにはぜひこの本から、わたしたちの普段の生活においても「例え話」が人間関係を円滑にするためのとても強力な手段なんだ、と知ってもらいたいな。
🦁コールデコット賞画家であるザガレンスキーさんの、現在の集大成とも言える素晴らしいイラスト。
細部に至るまで、寓話的なシンボルが様々に書き込まれていて、眺めるたびに新たな驚きがあります。
先日も、子どもに「この部分はあれをあらわしてるよね」と言われて、ホンマや!と新しい発見がありました。文章とイラストのあいだに隠されたたくさんのリンクを、ぜひ探してみてください。
🐇人生物語の途中に寓話集が挟まる形の構成。
伝記パートと寓話パートで、使われる紙も異なっているんですよ。なんてゴージャス!
🐢文章は多めですが、総ルビ。
動物がいっぱい出てくるので小さなお子さんとも楽しんでいただけます。
そろそろ発売開始です。ぜひお手にとっていただけたら嬉しいです。
そうそう。
イソップってなんぞ、と思っている昔の私みたいな子が実は1000人くらいいるかもしれないので(笑)よろしければ図書館にもリクエストしてくださいね!