今日紹介するのはお料理小説。大好き!
表紙からして、いいでしょう?
“Signoramia”
Elena Dallorso,Francesco Nicchiarelli
(Feltrinelli, 2019)
タイトルは「ねぇ奥さん」というくらいの意味かな。(って、訳してしまうとなんだか野暮ったいのですが…)
こちら、なんとチャットとメールだけで進行するというユニークな小説。
物語の設定がこれまためちゃくちゃ面白い!
………あらすじ………
ローマに住むファビオ(中年・独身)とミラノに住むフランチェスカ(共働き・子持ち)はどちらも料理が生きがい。二人は人気レシピブログのコメント欄で会話したことをきっかけに意気投合し、プライベートでもメッセージを交わす仲になっていく。しかしファビオにはひとつだけ秘密があった。実は、レシピブログで浮かないように、マリアと名乗って女性のふりをしていたのだ。親密になるにつれて、男性の(ような)的確な意見をくれる年上のマリア(実はファビオ)に惹かれるフランチェスカと、友情(恋なのか?)が壊れることを恐れて男であることを打ち明けられないファビオ。ミラノとローマは遠いから、この嘘をつき通せるはず…と思っていたが…
裏表紙より
「まずいよ、助けてくれ!」
「どうしたの?」
「例の料理チャットしてた彼女が、友達になりたいらしくて色々質問してくる。なんて返したらいいんだよ!」
「それって、あなたのことをマリアだと思ってるあの彼女?」
「あぁ」
「え、てかさ、あなたも友達になりたかったんじゃ?」
「俺はただレシピ交換したかっただけだ!なのにこんなややこしいことに…」
………あらすじはここまで………
344ページありますが、チャットとメールだけで進行とあって二人それぞれの視点に立ちながら、さくさく読めます。
ファビオの嘘から生まれる勘違いやすれ違いのドタバタが、まあとにかく笑えること。
胸キュン(って古いのかな)な要素もあり。
そして料理小説大好き!な人にはたまらないのが作品中に登場するイタリア料理のレシピ。二人が教えあう得意料理、たくさん出てきて、どれも美味しそう‼️🍽
私がこの本を読んだのは夏真っ盛りのバジルわしゃわしゃ成長期だったので、「本場リグーリア州の色あせしないペスト・ジェノベーゼ」のレシピが早速参考になりました😋
書いていたらまた読みたくなってきたなぁ。
こういう本も訳せる訳者になりたいんです。
楽しくて、役に立って、イタリアの空気がいっぱい味わえる本!
頑張らねばなぁ。
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