前回ご紹介したイタリアの超人気ミステリー作家マルコ・マルヴァルディ(Marco Malvaldi)ですが、なんとこの10月、CSのAXNミステリーチャンネルで彼の代表作「BarLumeシリーズ」ドラマが放送されることになりました!!!
番組紹介ページはこちら。(『トスカーナ大衆酒場の事件簿』)
紙の本で持ってるのは三冊だった。 |
前々からこのシリーズの紹介をしたいなと思っていたのですが、ドラマがついに日本上陸と聞いて、やっと重い腰をあげました。これを書くにあたって、昔(っていうほど昔でもないけど)に読んだ1巻目「La briscola in cinque(5人ブリスコラ)」、2巻目「Il gioco delle tre carte(スリーカードモンテ)」を改めて読んでみましたがやっぱりおもしろーい。のです。
小説の舞台はトスカーナの架空の街ピネータにあるバール<ルーメ>。ここのオーナーバリスタ、マッシモと常連の仲良しじいちゃん4人組が色んな殺人事件を解決していくコミカルなミステリーシリーズです。
原作は全6巻+番外編2巻で、一応シリーズ完結したと聞いています。
(ちなみにドラマの方は、原作とは異なる順序でエピソードが構成されていて、うち半分くらいはドラマ用のオリジナルストーリー。)
私は前述の通りまだ1、2巻しか読めていないのですが(あとは…積ん読…)1巻目のエピソードはシーズン1の第4話で登場するので、映像としてどんな風に描かれているのか今から楽しみです。
さて。
もしこのドラマを見て「原作、時間ないけど一冊くらい読んでみたいなー」と思われた方がいらっしゃったら。
個人的に、ぜひ第2巻『il gioco delle tre carte』から読み始められることをお勧めします!
(あくまでも、時間ないから一冊、と言う場合ですよ🤗)
というのも、まずこの巻のエピソードはドラマの全シーズン通して全く採用されていません。
つまり、ドラマの雰囲気を頭に置きつつ、ドラマ化によるストーリー改変で受ける違和感などの影響を心配することがない。自分でイメージを膨らませながら読めるという利点があります。これが第一のポイント。
それから、第二の推しポイントとして、日本人がたくさん登場します。しかも重要人物です。おお?それ聞くと俄然気になりませんか?(笑)
↑2巻がドラマで採用されなかったのは多分日本人役の俳優さんを手配する問題などあったんじゃないかと野暮な想像をしてみたり。
ということで簡単に第2巻の内容をご説明しましょう!
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主人公マッシモの住む街ピネータで化学分野の国際学会が開かれることになり、世界中から癖のありそうな学者たちが集まってくるところから物語は始まる。
そして学会初日、登壇者の1人である高名な日本人教授が会場で謎の死を遂げた。
バール<ルーメ>のオーナーであるマッシモは、ケータリングを頼まれてその会場にいたことから警察に協力を求められ、あれよあれよと言う間に事件に巻き込まれていき…。
というのが大筋。
その後、
日本人学者の死にはあるパソコンが重要な鍵になってくるらしい?
でも中に書いてあるの全部日本語じゃん…どうするの!?
と言う面白い展開が待ち受けています。これはページをめくる手が止まりません。化学やコンピューターに強いマッシモ(理学部数学科博士課程中退)が大活躍、さてどんな推理を導き出すかに注目です。
日本人をめぐる描写にはややステレオタイプなところもありますが、不思議とそんなに嫌じゃない、というか素直に面白いと笑えてしまう感じが私は好きです。そういうところに、もともと化学者である作者マルヴァルディさんの知性がうかがえるような気がします。(もちろん、化学者だから知性的、ということではないんですけど)
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さて、ドラマは10月11日に4話一挙放送です。楽しみ〜!!
(それにしても、このドラマに対するAXNさんの「おっさんずミステリー」という表現は、一体誰を指しておっさんと言っているのか!?!?ちょっと疑問なのでその辺も見て確かめねば!)
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