去年の暮れにインスタに投稿していた本の紹介を、少し手直しして再掲📚
"Viola e il Blu - La libertà di essere i colori che vuoi " di Matteo Bussola / Salani editore (2021)
マッテーオ・ブッソラ『ヴィオラとブルー きみが好きな色でいる自由』
〜あらすじ〜
ヴィオラは、サッカーとキックボードと青い服が大好きな女の子。
「青は男の子の色だ」とみんなが言うのはなぜ? 納得がいかなくて、ある日お父さんにその理由を尋ねます。
画家であるお父さんは、さまざまな色にまつわる歴史的な話などを交えながら、ジェンダーについて娘に優しく語りかけ始めます。
社会が作り上げてきた「男」や「女」のステレオタイプがいかにおかしなものであるか。
どうしたらそういったレッテルを自分にも他人にも貼らないでいられるか。
ジェンダーに囚われないで自由に生きることがどれほど素晴らしいことか…
青が男の子の色でピンクが女の子の色とされるようになったのはいつごろの話なのか。
黒い魔女たちはどういう存在として生まれたのか。
男は泣いちゃいけないのか。
「洗い物をやってあげるね」という言葉のどこがおかしいのか。
そんなことが親子の話題に上ります。
(どんな内容なのか、気になりませんか?おもしろかったですよ😊)
ヴィオラのお父さんは家で仕事をし、家事や子育ても積極的にやる優しい人。お母さんは仕事であちこち飛び回り、家電が壊れたらさっと直せるような技術も持つ頼りになる人。両親は一人娘のヴィオラを、性別によって縛られない生き方ができる人になって欲しいと願って育ててきました。
そんな彼らでも子供の目に映るジェンダーの疑問に答えていると、まだまだ自分たちの中に存在する無意識の差別があることに気づき、また軌道修正していくのです。
愛情に溢れた誠実な父と娘の対話は、説教くささやヒステリックさもなく、自然と心優しくなれる文章。小学校中学年くらいの子供たちがジェンダーについて知り、考えるのにとてもよい本だと思いました。
大人の私も改めて、親としてどうありたいか考えさせられる……
おまけの話。
主人公の名前“ヴィオラ” violaはスミレのことですが、紫色という意味にもなりますよね。
私もスミレのような青紫色が大好きなのですが、この本はなんと本文がネイビーのインクで印刷されているんですよ。素敵。中をお見せできないのが残念!そしてちゃっかりサイン本なのです😆