3月8日は「国際女性デー」。
イタリアでは、この日は一般的に「女性の日(Festa della donna)」と呼ばれています。
男性が女性に、日頃の感謝を込めてミモザの花を贈る日、ですね。
でもなぜミモザなのでしょう?
今日ご紹介したい一冊は、”Mimosa in fuga”(原題:逃げ出したミモザ)。
去年、「国際女性デー」が初めて世界で祝われてから110年となるのを記念して出版された絵本です。
(去年買って、届いたのが3月8日を過ぎちゃってたので、1年越しでのご紹介😅)
"Mimosa in fuga" di Serena Ballista・Paola FormicaCarthusia Edizioni 2021, 32p. |
〜おはなし〜
今日は3月8日「女性の日」。街角で売られているたくさんのミモザのなかに、ミミという名のいちばん小さなミモザの子がいました。他のミモザたちが「自分こそは誰よりも早く買ってもらうんだ〜♪」と張り切っているなか、ミミだけは「私は贈り物なんかになりたくない、自分が何者かは、自分で決めるの!」と花かごから逃げ出します。
そして、一人の人間の女の子と出会い、自分は「女性の日」ではなく「国際女性デー」のシンボルなのだ、と語ります。
女の子はお人形で遊んでおけばいい。
女の子はサッカーや海賊ごっこなんてやるべきじゃない。
女の子がキャプテンになったり月旅行をしたいなんて夢見るのはヘンだ。
そう思われているのが普通の世界で、女性のなにを「祝う」っていうの?
とミミは言います。だから自分は贈り物なんかじゃない。女性たちに「今の状況に甘んじてはダメだ」というメッセージを伝えるための“シンボル”なのだ、と。
話を聞いた女の子は、「私は、自分が自分らしくいるのが好きだな」と言い、ミミをそっと胸に抱き寄せて自己紹介するのです。「私はミア(私)よ」と……
巻末には、国際女性デーにまつわる世界の歴史が簡単に紹介されています。
その中で興味深かったのは、ミモザがどのようにしてそのシンボルとなったのか、というエピソード。
それは世界女性デーの制定から25年後のことでした。ローマ在住の政治家で、イタリア女性連合の設立にも関わったマリーザ・ロダーノ(Marisa
Rodano)という女性が、国際女性デーのシンボルになる花を決めたいと考えていました。ちょうどその時期は、ローマの街近郊に野生のミモザ咲き誇る季節でした。高価すぎず、簡単に、そして大量に手に入る花です。これだ!
こうしてミモザは、1946年、イタリアで女性が普通参政権を得て初めての投票日に、投票にきた女性たちに配布され、瞬く間に女性の日のシンボルとして広まっていったのだそうです。
このような由来を知ってみると、今の一般的な「感謝の贈り物」としてのミモザとは、随分意味が異なって見えてきますね……
個人的に、絵本の見た目のかわいさとは裏腹にとても骨太な内容だな、と思いました。
ちなみにロダーノさんは、戦中はパルチザンとして、戦後は政治家として戦ってきた方で、現在もご存命(101歳)です!
さてさて、我が家のミモザも蕾が膨らんできました。春はもうすぐそこです♪
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