これです!!
エレナ・フェッランテの「ナポリの物語」シリーズ1、2巻!
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もちろん私も気になっていたので、邦訳が出てほんとうに嬉しいです。
(そういう自分に「原書で読めよ!」とツッコミを入れたい。でも子育てをしている今、すっと頭に入ってくる日本語で物語が読める、これほどの幸せはないから!!!!!!強調しすぎ)
訳しておられるのは「素数たちの孤独」などを手がけてこられた飯田亮介さんです。ありがとうございます!!!!!!(いや、だから強調しすぎだってば)
さて、第1巻の「リラと私」はとっくの昔、2017年に発売されていたのですが、出産時期と重なりなかなか読めずにいました。
すると、そうこうしているうちに第2巻が出てしまったではないですか!
出遅れたー!!
と焦った私でしたが、結果的には1、2巻を同時ゲットして読めたことはむしろ良かったです。
そうでなかったなら、物語の続きが気になってしまい、半年間は悶絶していたに違いない。
間違いない。
だって、そう言ってる今も第3巻が待ち遠しくてしかたないんだから…
とにかく面白くて面白くて、ここまで作品にどっぷり引き込まれるのは久しぶりでした。中学一年のときに「風と共に去りぬ」を読みはじめたらとまらなくて、人生で初めて徹夜して全部読み切った時の感覚を思い出しました。
(そしてこれは単なる偶然ですが、「リラと私」と「風と共に去りぬ」って、なんかちょっとテイストが似ているような気がするんだなぁ…女同士のドロドロが…どうでしょう。)
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さて、内容を簡単に紹介します。
主人公は、本好きで秀才(だけが取り柄)の「わたし」エレナ。
そして、エレナの幼なじみで、何をやらせてもカリスマ的才能を発揮させる美人で男前な「リラ」。
この二人の複雑な友人関係を軸に、ナポリの町で繰り広げられる、若者たちの強烈な人生模様を描いた大長編作品です。
読みはじめこそ、“小さな女の子二人がナポリの底辺みたいな暮らしに嫌気がさして「一緒に貧乏から抜け出そう!」って頑張る友情物語”かな?
ふんふん〜健気♪と思わせるんだけれど、油断するなかれ。
そんなかわいい(お気楽な?)お話ではありません!
というのも。。。
エレナは普通に考えたら「めっちゃ出来る子」です。ところが、リラという天才的な才能の持ち主に気に入られ、彼女の“友人”として認められたことで、ある種とんでもないほどの肯定感と強烈な劣等感とを同時に抱えて生きていくことになるんです。
これだけでもう、なんか察しますよね?はぁ〜(ため息)
さらには、エレナとリラの人生は、似たような(恵まれない)家庭環境から出発するのですが、二人して「お金持ち」を目指すあいだに、ちょっとした運・不運によっていつのまにか二人のあいだには溝が生まれ、それがどんどん大きくなっていきます。
そんな二人なんで、当然お互いへの気持ちがドロドロしてくるんです。
表向きは「私たち、頑張ろうね」っていうけど、本心では「あんただけには負けたくない」って思いはじめたときの、地獄みたいな苦しい感情とか。
離れてたほうが幸せとわかっているのに、「あの人の側から離れたら損するかもしれない」と思ってしまう、友情っていうかもはや中毒みたいな関係とか。
そういう黒い部分は、読み手にとっても
・あまり人には言えないけれど、自分も経験したことがある。
・身に覚えがあるから、「この子たちはどうするんだろう」って気になる。
ところ。
かく言うわたしも、圧倒的にエレナの嫉妬や劣等感に共感できてしまって…。
いやもうほんと、胸の中にしまってあった十代の頃の複雑な感情を思い出し、「わかるー、わかるよぉ〜!」と心の中で叫びながらの読書でございました…
ちとしんどい人になってますか(笑)
まあとにかく、ぐいぐい心を持ってかれる、そんな本です。
女性には迷わずおすすめです。男性目線の感想も聞いてみたいので万人にお勧めしちゃいます。
↓こちらは原書イタリア語版の書影です。
左から順に、1〜4巻。
第1巻だけ、テイストが違うんですけど、これは最近ついに本国でテレビドラマ化されはじめたので、その子役さんたちの写真カバーになってるんですね。
Ⅰ:L'amica geniale(天才的な女友達)
Ⅱ:Storia del nuovo cognome(新しい名字の物語)
Ⅲ:Storia di chi fugge e di chi resta(逃げる者と残る者の物語)
Ⅳ:Storia della bambina perduta(失われた女の子の物語)
Ⅲ、Ⅳ巻ではもうエレナたちも大人になっていきます。
邦訳が出るのが楽しみです!
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